全身性エリテマトーデスについて

最近は、ブログネタとしてストックしている内容が、射程が広いせいで、カンタンに書けない。


法律の根源とか、後期近代の特徴とは?とか・・・ネットで探すとけっこうまとまった資料が出てきていて、面白い。大学とかで考えるテーマなんだろうなー。


もう、そういう枠組みを整理するのは、個人的なノートにしておいて、ネットから記事を探してきては、それを分析するというスタイルにしようか、と考案中。


とはいえ、同時に学校の勉強もしなくてはいけないという状態なので、とりまこっち先にやります。



【臨床検査2】


全身性エリテマトーデスについて。


自己免疫疾患。本来、病原体に向かって働くはずの免疫系が、自己の正常の組織・細胞に攻撃を仕掛けることによって起こる病気の総称。全身性と臓器特異性がある。特定疾患に指定されていることが多く、女性が罹患しやすい。


膠原病(=全身性自己免疫疾患)である。「結合組織病」というほうが、正確。典型的主症状には、発熱・倦怠感・関節痛・レイノー現象がある。


代表的な症状は、

蝶形紅斑、光線過敏症、口腔内潰瘍、非びらん関節炎、漿膜炎(胸膜炎、心膜炎)、腎障害(ループス腎炎:蛋白尿、細胞性円柱)、神経障害(痙攣、精神症状)、血液学的異常(汎血球減少→凝固能:抗リン脂質抗体などが原因、貧血:自己免疫溶血性貧血)など。


全身的な症状なので、ひとつひとつ覚えるのは大変だ。イメージの連鎖で記憶するのがセオリーなのだけど、うまく作れそうにない・・。


『「光」を発する「蝶」が、「口」の中に入って、「人心」(腎・神経)に「干渉」(関節炎・漿膜炎)し、「血」が湧く』


まあ、こんなところで。


☆どのような抗体が原因か?


抗核抗体・抗ds-DNA抗体・抗Sm抗体・抗リン脂質抗体(ループスアンチコアグラント)など。


復習:抗核抗体について


FANA染色パターン


・peripheral型(辺縁型)―抗DNA抗体


抗DNA抗体は、二つに分けられる。 


抗ds-DNA抗体(二本鎖DNAと反応)と抗ss-DNA抗体(一本鎖DNAと反応)に分けられる。前者は、特にSLE(全身性エリテマトーデス)に出現する代表的自己抗体。


・homogeneous型(均質型)―抗ヒストン抗体 
             ―抗DNP抗体

どちらもSLEと関連アリ。前者については、薬剤誘発性ループス、後者については、関節リウマチ、全身硬化症とも関係アリ。


・specked型(斑紋型)―抗ENA抗体 


ENAは、細胞核からリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で抽出できる可溶性核抗原。酸性核抗原蛋白、非ヒストン核蛋白抗原とも呼ばれる。specked型の対応抗原である。


膠原病などに高率に検出され、疾患特異性が多いので、自己免疫疾患の診断や治療方針の決定に重要。


4つほど種類があるが、ここでは、抗Sm抗体と抗U1-RNP抗体が、SLEと関連していることだけ押さえておきたい。


・nucleolar型(核小体型)―抗核小体抗体 


これは、全身性硬化症(全身性強皮症)のみと関係あります。


・centromere型(セントロメア型)―抗セントロメア抗体


これは、CREST症候群と関係あります。


☆アレルギー分類では?


Ⅰ〜Ⅴ型まで存在するが、SLE(のループス腎炎)は、Ⅲ型に分類される。


Ⅲ型の特徴:抗原+抗体(IgG,IgM)の免疫複合体が、組織に沈着。これを認識した好中球や補体系が組織を障害する。


急性期には、血清中の補体価(C3、C4、CH50)は低値を示す。


自分は、このSLEの問題が出たときに、アレルギーの分類で、Ⅲ型だと気づいていれば、補体価が下がる、とすぐ分かったはずだが、アレルギーと結び付けて考えなかった。何か情報を得たときに、なんらかの知識体系を連想しないと、その情報をどうジャッジしていいのか分からなくなる、ということの典型的例ですかそうですか。


とりあえず、ここでSLEのまとめは終了。けっこう時間がかかってしまった。