並行的読書

【勉強法2】


今日、「本は10冊同時に読め! 本を読まない人はサルである!」成毛眞著 という本を買った。この人は、元マイクロソフト会社の社長らしい。


読書の価値を説いている内容であり、随所にラディカルな表現が散見されました。「本を読まない人はサルだ!」などは、体験主義者が読めば憤慨しそうな一文に思われるが、こういう表現を使わないにせよ、読書を習慣とする自分としては、それほど反発心を抱かなかった。


本の趣旨

・庶民=負け組/成功者を分けるのは、読書習慣の差。
 
 −集中力(細切れの時間を活用する)
 −アイデア力(いくつもの本を平行読みする)
 −決断力(本の内容のどこを重要視するのか)
 −情報収集力(平行読みによる知識の重積化)


・読書は楽しむためにする。


・読書は平行して読むべし。


読書は、成功して楽しむため、というのがこの方の人生哲学に強く組み込まれているようだ。


イデオロギー性が強く感じられるが、久々に感銘を受けたので、実際にやってみることにした。


実行したのは、約40分間。はじめから10冊は厳しいという気がしたので、とりあえず最近買ったのも含む3冊からはじめてみた。。ルールは、3分間本を読み、次に別の本に切り替えて、また3分読む・・・というのを続けていく。前述のタイムプレッシャーだ。その結果、自分が感じたことを書き記す。


1.濃密した時間に身を置くことができる。

50メートル走を繰り返しやるような集中力を要します。一冊の本を読もうとすると、ついダラダラしてしまい、疲れきった長距離走になってしまうので、モチベーションを高める上では合理的です。


2.アイデアが湧く。

そのたびにメモをした。今後のブログのネタにしたい。


3.ポイントを記憶しやすい。

人間の認識には、「ワーキングメモリ」と呼ばれる脳機能がある。15秒ほどで忘れてしまう短期記憶+高次の認識能力(読解力・推論力など)が合わさったような機能だ。


3分という制約で、集中して読む関係上、このワーキングメモリはよく働く。「どこがキーワードなのか?」「このキーワードは、自分の知っている○○と関連性があるのではないか?」などという具合だ。そうやって、集中力が高まっていると、記憶もしやすい。


記憶しきれない分をメモしたりするわけです。内容は3分間で次々に代わっていく。この循環が、濃密した時間感覚を作り出します。


☆今後の課題


自分の関心分野はまだまだ限られている。思想・哲学の抽象的な議論に加えて、脳科学などの認識システム系が二本柱だ。


先の本では、文化に関する本や、ビジネス関連著などが例として挙げられていた。なぜか、自分は日本や諸外国における「文化」というものに関心がもてない。現在は、社会のメインシステムである政治(哲学)に関心がいっているが、「文化」は、サブシステムなので、別に知識を仕入れるのは後でもいい、となんとなく思ってしまっているのだろうか?


視野を広げるためには、自分が関心の無い分野についての本も多読していきたい。以前は、興味の無い雑誌を古本屋から買ってきたりしたことがあったが、結局記憶に残らなかった。


あと、3冊だとちょっと少なく感じられたので、倍の6冊平行読みを実践してみたい。


自分が以前、「会話力を鍛えるスカイプ会議」に参加したときに、適当に理由付けしたことが、「話題が豊富になる」ということだった。それは確かにそうだからだ。マニアックな学術的知識は多少知っているけれど、それ以外は全然詳しくない。田舎住みで、出不精であることも関係しているかもしれない。まあ、突拍子も無いネタフリで話題のなさをカバーしているけれど。


自分の関心のある二本柱は、どうしても「原理原則」の世界なので、興味ある人はあるけれど、多くの人は、「非日常」だと見做して、関心を向けにくい分野だという気がする。


文化の話であれば、まだついて来てくれる人はいるかもしれない―――とはいえ、現代日本は、教養というものが猥褻物だという風潮があるので、歌舞伎や狂言、茶道などのメインカルチャーの教養よりも、漫画とかアニメとかのサブカルの雑学のほうが若者ウケはいいと思うけれど。というか、今はサブカルがメインになっている感さえある。コンテンツ産業などがその例だ。


ともあれ、自分は文明をささえるメインシステムと付随的な文化の両方について、あとは自然界の法則などの勉強もしたいとも思う。勉強したい分野が多くて困る。


勉強のための読書というのは、成毛氏からすれば、ナンセンスなことなのだろうけれど、さまざまな事象を学説から解釈できるような学者的アイデンティティというものに憧れがあるので、自分は本を読む。実際に学者になることはないだろうし、自分がリアルの人間関係で、そういった知識に多少詳しいことも知られないだろうけれど、それはそれでいい。


まとめ


☆社会を構成するメイン(システム)とサブ(文化)/自然科学系の知識を横断的に渉猟する。

☆並行的多読は使える